キャッチコピーの書き方

コピーについて

コピーは単に伝わるだけではダメ。人を動かしてこそコピーとして機能したことになる。

"意味"重視の言葉を重ねるだけの発想ではなく、"音味""刑味"をも兼ね備えた粒揃いのフレーズを駆使することで、より高度なコミュニケーションが可能になる。わかるだけでなく、感じてこそ、人はアクションを起こします。

まずコピーに注目させるというハードルをクリアするには、感性に訴える言葉が不可欠です。頭でっかちの理性より、感性豊かなイメージを持たせることこそがコピーの役割です。

お客をつかむポイント

コピーのポイント10箇条

* デザインしてる?
文字組として美しく、目に優しいか。
* ショートカットしてる?
長いより短い方がすっきりする。
* ポリシーはある?
統一感がなく、バラバラなのはみっともない。
* リズムはある?
口に耳に心地よくないと読みづらい。
* 体言止してる?
用言(動詞)の連呼は、耳障り。
* 指示代名詞はヤボ
人工的で理屈っぽくなるのはマズイ。
* 同語の反復はダメ
必要以上に繰り返さず、削ってスリムに。
* 箇条書きの方がいい?
だらだら書くより、素っ気なクールに。
* 形容詞より具体的に
実感としてフィットする表現を探す。
* 体になってる?
キャッチとボディがマッチしてこそ文体。

コピーの形6箇条

言葉の技でインパクトを得るレトリック派 A、B、C

レトリックA 「"同定"する」

素材の特長を何かと同定、イコールすることで興味を持たせる。○=△のように、一見似ていないものの方がインパクト大。「何々とかけて何と解く、その心は?」的な落ちがボディで決まれば説得力を増す。

○と△を両天秤にかけ、うまくバランスを取る支点を見つけられればしめたもの。ただし、ありふれていたり、強引な落とし込みをするのは逆効果です。比喩や擬人は、ポピュラーな常套手段と言えます。

レトリックAの例
 ・「人間は考える葦である」
 ・「芸術は爆発だ!」
 ・「器は料理の着物」
 ・「年齢は、水分だ」
 ・「生きることは、スポーツだ」

レトリックB 「"意見"する」

普段なかなか気づかないことを気づかせたり、ステキな考え方を打ち出すことで共感を得る。「あ、いいこと言うな」と思わせたらしめたもの。独自の一行を生み出すもよし、古今東西の名言を掘り起こすもよし。誰もが感じることでありながら誰もがフレーズにしていなかったものがお薦め。ありそうでなかった切り口を見つけたいもの。ただ、くれぐれも独断で反感を買わないようにご用心。

レトリックBの例
 ・「右の頬を打たれたら左の頬を出せ」
 ・「目には目を、歯には歯を」
 ・「善は急げ」
 ・「石の上にも三年」
 ・「百聞は一見にしかず」

レトリックC 「"遊び"する」

音遊び、意味遊び、字遊びという言葉の三大要素を総動員して、手を変え品を変え斬新は表現を生み出そう。「面白くて洒落ているな」が命。

くだらない駄洒落や親父ギャグに陥らず、粋に決めるのがポイント。

センスのない、寒〜いフレーズは要注意。ヒットを生むネーミングにも使えるテクニック。時代とターゲットの空気を小気味よく読んで仕上げてください。

レトリックCの例
 ・「笑っていいとも!
 ・「通勤快足
 ・「五体不満足
 ・「満員音礼」
 ・「うまたせ!」

内容を切り取ることで味を出すドキュメント派 A、B、C

ドキュメントA 「"数字"する」

素材の長所となる数字を切り取り、ストレートにフレーズ化。「何の数字?」と興味を抱かせる。意外なものほど話題性十分、知って得した気分にさせる。

「百の言葉より一つの数字」、性別、年齢、国境を越えて説得力を持たせられるのが魅力的です。生半可なキャッチより鮮烈ですし、記号化するクールな世紀にピッタリです。

だたし数字が間違っていては大問題。念には念を入れましょう。

ドキュメントAの例
 ・「二十四の瞳
 ・「2001年宇宙の旅」

ドキュメントB 「"事実"する」

素材にまつわる知られざる事実を打ち出すことにより、印象を深める。知的好奇心をくすぐる雑学的アプローチでコミュニケーションの距離を縮め、メッセージを届けやすくする。

目新しい利用法などモノより情報、身近なネタが効果的。ガツガツ売ろうとするよりも急がば回れです。粒を揃えてシリーズ化できれば感動ものだが、自画自賛に走ったり、検証なき事実を使ったりすると、信頼関係を失う。

ドキュメントBの例
 ・「ツルはなぜ一本足で眠るか」

ドキュメントC 「"人名"する」

人を最も惹きつけるのはいつの時代も人。人の名前を出すことにより、人間味あるインパクトが増す。

意外な人物と素材のカップリングが印象を深める。有名人の無名な話、無名人の有名な話など、一工夫加えればなおグッド!他力本願に陥りがちな面もあるが、対象を意識した人選により、想像以上の効果も期待できる。

プライバシーの無断侵害やガセネタには要注意です。

ドキュメントCの例
 ・「魯山人になれるまち」
 ・「ベッカムに恋して